■出会い:第1話  プロローグ
2004年

ある日の午後、私の元へ一本の電話がかかって来ました。
相手は、タイ人女性の友達Nattaちゃん

ハマ「 ハロー 」
Natta「 ハロー、ハマ 」

彼女の声は興奮していました。

ハマ「 どうしたの? 」
Natta「 赤ちゃんが産まれた! 」
ハマ「 えっ…… 」

ちょっと待ってください!

もしかしたら聞き間違いかもしれません、
落ち着いてもう一度聞いてみましょう、

深呼吸をして

ハマ「 ごめん、もう一回言って 」
Natta「 赤ちゃんが産まれた 」





2週間前にあった時には、妊娠してる様子は無かったけどな…

しかも、「 出来ちゃった 」じゃなくて「 産まれた 」

もう産まれちゃってる!?

落ち着いて考えてみましょう

…もしかしたら彼女の友達が産んだのかも

ハマ「 え〜っと…… 」
Natta「 ハマにあげるね 」

もらっても困ります!!

その前に、質問させてください……

ハマ「 ……だれの子供? 」
Natta「 ウサギの子供、朝ベランダ見たら産まれてたの 」
ハマ「 ・・・飼ってるウサギの事? 」
Natta「 うん 」

それを先に言ってください……


彼女はウサギを2匹飼っていて、今日まで2匹ともオスだと信じていたようです。
で、赤ちゃんが産まれちゃったわけですね……


少しお話をしてから、

ハマ「 じゃあ、またね、 」
Natta「 じゃあ、今度ウサギあげるね 」

カチャン





ウサギ!?

あの耳が長くてピョンピョン跳ねる生き物ですよね、

実家で犬や猫を飼った事はありますが、

ウサギなんて飼った事はありません!


それから、ウサギについての勉強が始まりました。


食べ物、
寝る所、
しつけの方法、
成長したらどこまで大きくなるのか、
最大何歳まで生きるのか、

本当にウサギを飼えるのか、不安になりながらも
様々なウェブサイトを何度も読んだり

職場でも時間があれば、まわりのスタッフが日本が読めない事をいい事に
資料を読むフリをして印刷して来たウサギの飼育書を読んだり

毎日毎日、寝る間も惜しんでウサギについて勉強をし続けました。



そんなある日、またNattaちゃんから電話がかかって来ました。

Natta「 ハロー、ハマ 」

いつもと違って暗い声です。

ハマ「 どうしたの? 」
Natta「 赤ちゃん、死んじゃった… 」



彼女が朝起きたて子ウサギの様子を見てみると
2匹の子ウサギのうち、一匹動かなくなってたそうです。


冷たくなった子ウサギの体をティッシュで包み、
彼女は泣いていました。

うまく慰めてあげる事も出来ず、電話を切る。

残された一匹の子ウサギ、
もし、本当に私の家に来るのなら、大切に育ててあげないと……


そして、その日の夜、
また電話がかかって来ました。

Natta「 赤ちゃん、みんな死んじゃった… 」

仕事から帰って来ると、残された子うさぎまで後を追うように死んでしまっていたそうです。
私は悲しい気持ちと同時に、初めてウサギを飼うという不安が無くなった安心感で、とても複雑な気持ちでした。

次の日、彼女は冷たくなった2匹の子うさぎを連れてお寺に行きました。

突然、我が家に来るはずだった子が居なくなってしまい、

一緒に住んだわけでもなく、まだ、顔すら見た事が無い子ウサギ

それなのに、なぜか自分の部屋が寂しく、少し広いように感じてしまいました。




- 2004年12月22日 -



Natta「 ハマ!ハマ!赤ちゃんが また 産まれたよ!今度はがんばって育てるね! 」

どうやら、今度こそ本当にウサギが我が家にやって来る事になりそうです。

inserted by FC2 system